至福の喜びを約束してくれるブランデーグラスの調査にあたり、ヤン・フィリウーはこの小さめのグラスの結果に驚く様子もなく、こうコメントしました。「ヘネシー社内でのテイスティングでは、細身で小さな容量のグラスを何年も使用しています」。 大ぶりのグラスはアルコールを強調し、果実のアロマを抑えてしまうことがわかり、小さめのグラスの方が適していると結論づけられました。小さなグラスからは、控えめで甘いアロマが代わる代わる突然現れ、実に様々なブーケが引き出されたのです。

ヘネシー社には、その熟成年数の違いによる様々な品質と特徴を持った製品があり、それぞれに合せたグラスの形状を必要としていました。
スタンダードなＶ.Ｓ.Ｏ.Ｐ.の若々しい性質には、果実味を最大限に引き出し、酸味とアルコールの強さを統合させながら全体的な調和をもたらすグラスが必要でした。これを念頭に置いて開催された「ブランデーワークショップ」では、小ぶりでチューリップ型のグラスが、マスターブレンダ−の厳しい条件を満たすことができました。この形状とサイズは、ブランデーが持つ繊細なカラメルと果実のアロマを強調し、強いアルコール分を弱めてくれます。