EPISODE 8 --- ワインを大事に保管するためにNo.2(ワインセラー編) (00/6/16)
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今回のBuyersEYEは、ワインを保管しておくのに、必要な道具の内、前回Vol.8 の続きとしてもうひとつの「道具」ワインセラーについてです。

 1998年のワインブーム?をピークとしていまや、国内外合わせて、10社以上が 市場に参入している通称ワインセラー(ワイン専用保温湿機)ですが、各社特徴があります。
(各社というより保温湿機構の違いかな)
よくWACにもお客さまから「いったいどれが一番いいの?」というご質問を受けますのでここでひとつ私の見解というか個人的選び方をお知らせいたします。
(でもあくまでも私見なんでメーカーの担当者の方、怒らないでね)

まず、機構ですが主に3つ存在します。順に説明すると

●ペルチェ(電子式)方式
簡単にいうと2種類の金属をペルチェ素子でつないで電流を流すと片一方が放熱、もう片一方が吸熱するという「ペルチェ効果」を活用して庫内の温度管理をする方法です。 従来のコンプレッサー方式と比較し、振動や音が格段に少ないと言えます。
ペルチェ効果自体は、そんなに新しい技術ではないのですが、旧来型のペルチェは、コストがべらぼうに高い上、そんなに長持ちしなかったのです。
が最近の機種に搭載のペルチェは劇的な技術革新を経て従来型だとせいぜい2〜3年だと言われていた耐久力が、8〜9年から10年は保つ?らしい。
(某有名メーカーの技術担当者に聞いた話の受け売りです)
コストが多少高いけど、扉の開閉にも強く、かつ安定した保湿&保温性能が得られるなかなかGoodな方式です。 でも某メーカーの超小型(収容本数8〜10本)のペルチェはうるさい。なぜならその機種専用設計の静温ファンでは、なくほかの製品からの流用ファンでコストダウンをはかっているからです。
WAC取り扱い商品では、フォルスター社の高級機グランセラーがこのペルチェ方式を採用 してます。

●コンプレッサー方式
コンプレッサー(圧縮機)を使用。もちろん振動は、ほかの2方式と比較しても多く発生します。が、それに見合う性能があります。
それは急激な温度変化にも比較的強い!要するに扉の頻繁な開け閉めに強い!ということです。
セラー内での熟成よりもデリケートなワインを一時保管することを目的とするホテルやレストランでのご使用には、最適です。
(最近のコンプレッサーは、格段に改良されフォルスターの最新作機では旧タイプと比べて信じられないほど静かになっていました。)

注意:ちなみに皆さん、もうご存じかと思いますが普通の冷蔵庫でワインを保存するのは、絶対×です!庫内湿度が、理想とされる65%〜80%%より低くなりすぎ、コルクが乾燥、収縮、ワインが酸化します!絶対要注意!です。

WAC取り扱い商品では、フォルスターのロングフレッシュシリーズがございます。

熱吸収式(エレクトラックス社)自然対流式(フォルスター社)
もっとも古くから利用されている方式で、ホテル内の冷蔵庫(ほとんどがなんとエレクトロラック社製です!出張の時にでも一度確認してみて下さい。)
これらは、呼び名は違いますが比較的似ている方式で、水、アンモニア、水素の性質を利用して気化熱で庫内を冷却する方式です。
湿度は庫内の冷却板につく結露を利用するため、乾燥機には、コップに1杯水を汲んで入れておくとか、底部の皿部に保湿マットをしくとかの工夫が必要です。
構造的に、振動や音とは無縁でその上製作コストが安くつくれるためコストパフォーマンスに優れます。(要は安くていっぱいワインが入るということですな)
でも頻繁な開け閉めは苦手ですので業務店の使用よりは家庭用に好適だと思います。
以上おおまかに、ワインセラーの機構説明をしてきたのですが、ここでもう一つ大事な要素があります。「デザイン、外観」です。
物置にでもおくなら別ですが、リビングルームやワンルームの自分の部屋なんかにおく場合、これは非常に大切です。
お気に入りデザインのワインセラーに自分の大切なワインが眠ってるというのは、ワインオタクでなくてもなかなかいいもんですよ。それに安いワインも安心して買いだめできる?

でも本当に、決して安くない買い物だけに、自分が気にいる一品をよく研究して購入して下さい。購入後のアフターフォローも大事ですよ。
ついでに老婆心ながら最初は24本も入れば充分と思っていても、だんだんワインがあふれていくんですねぇ、これが。(笑)
あ〜もっと大きいのが欲しいよ〜。てなことにならないようにね。
今回のBuyer's EYEが、皆さんのお役に立てればうれしいです。 では、では。


 
  EPISODE 8 --- ワインを大事に保管するためにNo.1(ワインラック編) (00/5/16)
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今回のBuyersEYEは、ワインを保管しておくのに、必要な道具の内、昔から使われているワインラックについて書きたいと思います。
ちなみに次回はワインのセラー(ワイン専用保温湿機?)について書く予定です。

 さて皆さんは、なぜワインラックが必要かはおわかりですか?
要はワインに正しく?育って(ボトル内熟成)してもらうためです。
ワインボトルを長期間縦置きしていると、コルクが乾燥、収縮しそのためボトルとコルクの隙間から空気が入り酸化してしまうため、ボトルを横向きに保管し、常にコルクを湿らせて置く必要があるのです。その状態でこそ愛すべきワインがコルクを通して静かに正しく育つことができるのです。
で、ここでやっとワインラックの登場なのですが、このワインラック、かなり以前から使用されており、その使われるシーン(場面)もディスプレイを兼ねて数本(主に3.6.9.12本用などなぜか3の倍数が多い)だけ置くための単純な家庭用から数十本から数百本保管する必要のあるホテルやレストランなどの業務用、これまたディスプレイ兼用タイプと温湿管理の行き届いたワイン保管庫用の主にストックを主目的にするタイプまで多種多様です。

 家庭用としては昔からの定番としてラバーウッド(いわゆる雑木)やパイン材を使用したアコーディオン型のワインラックがあります。これは主にタイや最近ではやはり人件費の安さのせいで、中国も主な生産国としての比率を高めています。まあこのタイプのワインラックはディスプレイとしても使える&使わない時は折り畳めることで長い間ワインラックの代名詞のように思われてきました。が、しかし最近の流行?(ワインラックに流行なんてある?)として木材のみ、もしくは木材パーツをメインにつなぎの部分に鉄材を使用したスクエア型のワインラック(弊社取り扱いBORDEX社―オーストラリア製など)が主流となる傾向にあります。

 このタイプの特徴は、スクエア(四角)であるがゆえにスペースにピタッとはまり効率がよく、またディスプレイとしても秀逸&ワインの置く本数が増えたときにも新たにワインラックを購入しなくてもつなぎのクリップを買い足せば、同じタイプのワインラックをスタッキング(積み重ね)できることです。また子供の頃よく遊んだブロックと同じで、アイデア次第でどんなスペースにもある程度組み合わせ対応可能(たとえば冷蔵庫と壁の隙間や下駄箱の中、ベッド下や押入などなど)なDIY的な点が受けてる理由でしょうか?

 このタイプにはまさに巨大な(まあ木と鉄の組み合わせだから理論的にはつなぎの鉄材の長さ次第でいくらでも大きく作れる?)ワインラックも存在し、オーストラリア第2の大都市メルボルンに存在する約2.7トン分のワインボトルを支え保管できるおばけみたいなホテルの業務用まであります。(もちろんオーダーメイド!)使われる木材はここでも主にパイン材、それとマラントゥと呼ばれるマレーシア産の木材が主に使われ、オーストラリアではVIP用に、木材の色をできるだけ同じ色に合わせたスペシャル版まで存在するとか。それとこのタイプのラックを選ぶ重要ポイントとして、鉄材と木材パーツを組み合わせるときの手間ができるだけかからないものを選択することです。
 中には、木材パーツに鉄材を差し込む切れ目があまりにもきついため、男性でも組むのが大変!というものもあります。(メーカーによる)それと鉄材がブラックもしくは他色にコート(焼き付け塗装)してるものでなく、むき出しの鉄材だとちょっと湿度のあるセラー内で使うとあっという間に錆(さび)てきます!ほかには、工具として大きなワインラックを組むときは、軍手とプラスティックハンマーがあると格段に便利!です。
でも家庭用の12本用までならそれも必要ないかな?と思います。

 1998年をピークにしたワインブーム?(あんまりこういう言い方は好きじゃないけど)の時にはほかの産業が、超不景気なこともあり我々の様なワインアクセサリー専門屋のみならず雑貨屋さんやグラス屋さんまでもが、まさに様々なワインラックを製造&輸入し始めたため、今市場では、ちょっと気の利いたワイン屋さんや雑貨の小売店なら昔のアコーディオン型だけではなく、お洒落でカワイイ、ワインラックがたくさん置いてあります。
アクリルや木材でできておりワインは1本しか置けないのですが、ボトルを刺した(ここがミソ)状態で微妙にバランスする装飾専用のワインラックなんてのもあります。

 インテリアとしてもお洒落で実用品でもあるワインラック、あなたも自分に最適な”お気に入り”を探してみませんか?6本用だとワインを飲み慣れ、好きになるにつれ、すぐ買い足すはめになるので、私のおすすめとしては、9本もしくは12本用がいいと思いますよ。(これは次回のBuyer'sEYEで書く予定のワインセラーも一緒です!)


 
  EPISODE 7 --- ワイングラスを“なが〜く”使う方法 (00/4/17)
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今回のBuyersEYEでは、過去2回のグラスシリーズの締めの意味で、どうしたらせっかく購入したお気に入りのグラスを長持ちさせられるのか?お手入れの方法は、なにかいい道具は?について話したいと思います。

 まず、簡単なところからステムグラスの取扱い&手入方法です。 たとえばワイングラスの王様RIEDELリーデルなど実用的なんだけど比較的高価な(もっとも売れ筋のヴィノムシリーズで今のところ定価は3000円前後〜3500円。なぜ今のところかといえば来年度よりRIEDEL JAPANが設立される予定で早ければ今年度中に価格改定がある可能性があるからです!)これら高級なステムグラスは、生地も薄く一般に割れやすいと考えられていますが、果たしてそうでしょうか?

 確かに、厚いグラスの方が割れにくいことは事実ですが、薄いステムグラスでも取り扱い次第で通常の数倍も長持ちさせることができます。
 まず、割れやすい状況として皆さんも経験がおわりでしょうが、例の「カンパ〜イ」の時、グラスのリム(口部)をチップするケースがあります。これは、乾杯の時リムよりボウルの一番膨らんだ部分で、チーンと合わせることで防げます。

次に洗浄時や拭き取り時によくグラスの一番底部を鷲掴みにして、もう一方の手でグラス全体をねじるように拭くのがプロの方にも見受けられますが、これが一番いけません!
グラスで一番弱いのは、構造的にもリム(口部)とステム(脚部)です。
先述した拭き方だと一番弱いステム部分をねじり切る動作になり何度か繰り返すうち必ず折れます!
 正しい方法は、まず片手でボウル底部(くどいけどグラス底部じゃないよ!)を包むように支えながら、もう一つの手で、内側から底部のみ拭き込む気持ちで洗うことです。ボウル底部を念入りに洗う&拭き取ることで自然とリム部はきれいになります。
そして最後にボウル底部についた指紋等を外側からきれいに拭き上げて終わりです。
要は、一番弱いリム(口部)とステム(脚部)を極力いたわってあげることです。

 完璧な磨き上げ(注意!=磨き上げとは、洗浄後水分をとるのが目的の拭き上げとは違います!)を目指すプロのためのWAC一押しアクセサリーをご紹介します。
 化繊大手の東レが発売している「トレシー」です。このトレシーはもともと、衣料用として開発された素材なのですが、2ミクロンという超極細繊維のためコシが足りず、眼鏡のレンズ拭きとして大ヒットしたという逆転の発想商品なのですが、これがリーデルなど高級グラスにバッチリ!なのです。
 原理は簡単でハンカチなど普通の布では15ミクロン以上もある繊維の太さのため汚れのうわっつらを滑ってしまうのに対し、2ミクロンしかない超極細繊維のトレシーはまるで剃刀のごとく油分をこそぎ落としてしまうのです。でもこのトレシー逆にすべりが悪いためうまく使うためには、すすぎ後完全に乾燥させる前少し水分がグラス等についた状態の方が使い勝手が格段にいいです。昔からいわれている卵の殻でシェイクしてから拭き上げるよりはるかに簡単!ですよ。それでいてまさにピッカピッカになること保証します。

 次に薄いグラスや底部まで手の届かないデカンターを洗うのにとても便利な商品としてマイクログラスクリーナー(製造元:日興クリエイティブ)があります。これは、強力な油分洗浄と除菌を両方兼ねた上に、排水は約2週間で成分分解して自然に帰る上、無毒という優れモノ洗浄剤です。
 以前は手の届かないデカンターについた赤ワインしぶなどの頑固な汚れには、医薬部外品で高価なポリデントなど入れ歯洗浄剤をすすめていました。でもマイクログラスクリーナー発売後はこれ一辺倒です。この商品、実は胃カメラなどの医療用器具洗浄、ビールメーカーのビン洗浄にも使われている万能洗浄剤です。私もバイクのホイールリム部についた超頑固な油汚れ落としに使い、大変重宝しています。(ちょっとへんな使い方ですが)

 以上、長々と大切なワイングラスをできるだけ簡単にそしてなが〜く持たせる方法をご紹介してきました。皆さんもぜひ一度お試し下さい。グラスを洗うのが楽しく?なること請け合いです。

   最後に一言、高級なステムグラス材料によく使われるクリスタルは、鉛を含むため、ほかの素材より弾力性に富むため、思ったより丈夫です。あまりにも安っぽいソーダガラスの変てこりんなグラスでワインを飲むより、ちょっといいワイングラスで大好きなワインを楽しむ方がはるかにおいしく、上質な時間を過ごせると思うのは私だけ?でしょうか。

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