ワインを教える講師や経営者ばかりが集まったテイスティング会ともあって、「ワインについての知識」と、「ワインとグラスの関係」ついては知っているものとし、グラスの機能から説明が始まったのです。
今回のグラステイスティングに使用されたグラスは、今年発表された新作「リーデル@グレープ」、このグラスの最大の特徴は、今までハンドメイドでしか成し遂げられなかったボウル底の尖り(引き脚)をマシンメイドで可能にしたこと。
リーデルのマシンメイドグラスは通常、ボウル部分とステム(脚)部分、ボトム(台座)部分を継いで製作されるために「継ぎ目」があるのですが、このリーデル@グレープグラスには継ぎ目がありません。
|
|
継ぎ目が無いどころかハンドメイドで製作されたかのように、ボウル口部からステム、台座にかけて流れるようなフォルムとなっていて、繊細で品のあるグラスに仕上がっています。
実は、この尖った底部には機能的な意味があると信じていたのですが、ゲオルグ氏から「これによってアロマやフレーバーが変わる訳ではありません。見た目に美しいエレガントなグラスなのです。」との説明・・・ちょっとショックでした。
また、今回はアロマ(香り)について詳しい説明があって「大きなボウルを持つグラスは、アルコール度数が強いワインに適していて、樽のフレーバーなどを拡大してくれる。スペースを大きくとる事で、香りを引き出す効果があるのです。」 |
グラスのスペース部分には、ワインから発せられる香りがあるのですが、実はその香りにはアルコール香が強い部分やミネラル香が強い部分、フルーツ香が強い部分など、「香りの層」が存在し、その層のどの部分を感じ取るかによってワインの印象が変わってきます。 |
|
|
ここでワインが持つ本来の香りを確かめるべく、面白い実験が行われました。
それは、手でグラスに蓋をして上下にシェイクすることで、香りの層を崩してしまうのです。ちょっと勇気のいる作業ですが、シェイク後すぐに香りを嗅ぐとワイン本来の香りを知る事ができます。
(ちなみにシェイクから30秒で、香りの層は元に戻るそうです。) |
|
|